QAMの動作原理を回路に落とし込んでみる

作らなきゃいけないモノもあるのはさておき、たまたま触れる機会があった可視光通信の変調方式に関連し、回路レベルでの実装方法がモヤモヤしていたQAMについてまとめてみる。

 

  • QAM(Quadrature Amplitude Modulation / かむ)とは

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 このあたりが詳しいので細かい説明は割愛。

 要するにASK(振幅変調)とPSK(位相変調)を組み合わせたような技術で、単位時間当たりのデータ転送量を引き上げるという方式。身近な所ではドコモのPREMIUM 4Gで1symbol当たり8bit飛ばせる256QAMが使われていたり。

 いざ原理を調べてみるとブロックダイアグラムはいくらでも出るが、1から10まで具体的な動きを説明している資料がなかなか見つからないので、LTSpice先生に説明を仰いでみた。

 

 こちらの16QAM変調/復調器のをベースに回路を作っていく。転載不可なので、実態に即したブロック図に書き換えてみた。

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 手順はざっくり①2値-4値変換 ②振幅変調 ③QAM信号出力 となる。

 

①2値-4値変換回路

 1回路あたり2bit分のデジタル(=2値)信号を入力し、信号の組み合わせにより4段階の電圧(振幅)で表現する回路。16QAMでは1度に4bitのデータを扱うため2回路用意する。

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V1,V2のH/Lの組み合わせにより、3V,1V,-1V,-3Vを出力する。(一番下の波形が出力)

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振幅変調

 振幅変調と謳っているものの、振幅での表現自体は①で出来てしまっているので、

ここでは搬送波への重畳と移相器を組み合わせた位相変調(PSK)を行っている。

 

 ・搬送波生成部 +90°移相回路

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 ・振幅変調部(搬送波と①で得られた信号の掛け算)

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 振幅変調部は本来であれば乗算器ICやDSP等を用いるべきであるが、簡略化の為Spice先生に計算してもらった。

 ①の片方の回路で生成した4値信号を位相0°の搬送波と乗算し、もう片方の回路で生成した4値信号に対しては90°位相を進めた搬送波と乗算する。

 

③QAM信号出力回路

 ②で生成した2つの振幅変調波どうしを加算し、信号を多重化する。

これにより得られたQAM信号を無線やらLEDやらで飛ばすことで送信機の出来上がり。

 

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・上:信号P、中段:信号Q、下段:QAM出力

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復調側では受信したQAM信号を2分岐し→それぞれに0°/90°の搬送波を乗算し信号P(0°)と信号Q(90°)の成分に分離→LPF→ADCやコンパレータ等で4値→2値変換で元の信号が取り出せるが、詳細はまた今度。。。

 

※一応、回路データはコメント頂ければ提供可能です。